論理的思考と臨床推論(クリニカルリーズニング)
いま,理学療法の世界には多くの勉強会や研修会が溢れています.
どの手法やテクニックが優れている劣っているということは,もちろんないです.
しかし,特定の研修会で得た知識や技術を妄信的に使う理学療法士が
少なからずいることが,気になってしょうがないんです.
私は大学院で神経生理の研究室にいたのですが,そこで得た知識がそのまま臨床に
生きることは,正直それほど多くないです.
しかし,そこで学んだ因果関係を証明するための論理的思考や手順は,
本当に臨床に生きていると感じています.
患者に起きている現象の原因はなんなのかを,評価に基づき特定していく
『臨床推論』はまさに研究で因果関係を『論理的』に証明する考え方と同じです.
この『論理的思考』に基づく『臨床推論』を自分自身がいかに着実に行っていくか,
その大事さを後輩や学生に,いかに伝えていくか.
まだまだ考え,実践し続けないといけないテーマです.
実際には,人間の身体運動は非常に多くの事柄から影響を受けるので,
本当の意味での因果関係の証明は難しく,経験に基づく暗黙知によって
ある程度はあたりをつけないといけない場面も多いです.
それでも,その難しさから逃げることだけはしないように,
日々精進していきたいです.
最初に書いた,ある手技やテクニックを妄信的に使う理学療法士は,
この『論理的』に『臨床推論』を行うことから逃げているように,
私には思えてしょうがないのです,
どうでしょうか??